副住職の1ヶ月日記

令和7年4月
日蓮聖人のお手紙から 天高けれども孝よりも高からず
=あなたの両親は健在ですか?=
親孝行したい時分に親はなし。この諺は、親がまだ生きているうちに親孝行をするべきだという教訓です。私たちは、どうしても孝行を先延ばしにしがちですが、日頃から親への感謝を忘れず、親孝行を積み重ねることが大切と教えています。
本来、僧侶は両親のもとを離れて出家するものなので、親不孝な行為かもしれません。
しかし仏さまの教えは、もっと内容が深く、「孝」よりもさらに高いものが「恩」だというのです。自分だけが救われるのではなく、他人をも救うことが大切だと言われるのです。人間は自分を導いてくれた先生や仏さまの恩、国や自然にまでも感謝しながら日々生きていくことが大切だと説いているのです。
そして私たちは親がいなくなっても年忌法要という形で親孝行を続けることができるのです。
令和7年3月
日蓮聖人のお手紙から 国土乱れん時は、先ず鬼神乱る
=鬼神を善神に=
古典『徒然草』には、「女が鬼になって京の町に来たという噂がたち、鬼探しが流行ったが誰も鬼を見つけられない。その後、病気になる人が増え、鬼の噂はその前兆だったのかも」といった記述があります。
昔から鬼は人に禍をもたらす目に見えない存在として理解されてきたようです。では鬼はどこにいるのでしょうか。それはそれぞれの人の心の中です。そして鬼は、善神になったり、また鬼神に戻ったりと、折々に変化していきます。
世の中では良いこと、悪いことが次々起こります。現実の世界と目に見えない心の世界が影響し合っているからです。人がお互いに敬い合い、優しい気持ちになることで、互いの心に棲む鬼神が善神に変わっていきます。
誰にでもできる小さな思いやりが、安穏な世界の実現につながっていくのです。
令和7年2月
日蓮聖人のお手紙から 総じて餓鬼にをいて三十六種類相わかれて候
=施しの気持ち=
美味しいケーキ屋さんを教えてもらいました。しっとりしたスポンジにまろやかな生クリーム、甘いイチゴ...。こんな美味しいお店を教えてくれてありがとうという気持ちと、このお店は自分だけの秘密にして誰にも教えたくない、という気持ちになりました。
「誰にも教えたくない」という気持ちが、自分だけがいい思いをしたいという「物惜しみ」の気持ち。これが「餓鬼」の心です。人の心の中には36種類もの餓鬼がいるといわれています。
お風呂のお湯を自分だけにかき集めようとするとお湯は逃げていきますが、向こうへ押すとはね返って自分の方へ戻ってきます。自分だけの幸せを考えると逆に逃げていきます。
友人が美味しいケーキ屋さんを私に教えてくれたように、日常生活の些細な喜びから周りの人にお分けしていきましょう。
令和7年1月
心は器の如し
日蓮聖人のお手紙から
=心を広げよう!=
「凹むという字は器のようでしょ。気分が大きく凹むということはそれだけ人間としての器を大きくしていることなんだ。スポーツ選手は身体を鍛えて疲労と休息を繰り返し、筋肉を発達させるよね。大きく凹んでいる時は心が疲れて休息が必要な状態。心も身体も疲労と休息を繰り返し成長していくんだよ」
人と意見が合わず、落ち込んでモチベーションが下がっている時に、友人が励ましてくれた言葉です。
人生は思い通りにならないことの繰り返し。自分と違った意見や考えがあるのは当然です。互いに刺激し合い、さらに自分と向かい合うことで心の器は広がります。そして相手をそのなかに受け入れることで人は成長していくのです。さまざまな出会いを糧として心を広げ、互いを認め合う大きな心の器で安穏な世の中を築いていきましょう。